公園を後にして、健太郎は車を出すことを提案した。
「美咲さん、車で送りますか?」
美咲はちょっと戸惑いながらも、
にっこりと微笑んで
「そうですね、ありがたくお願いします。」
と受け入れた。
車内に入り、健太郎はエンジンをかける。
車が動き出すと同時に、微妙な緊張感が車内に漂った。
ラジオがかすかに流れ、二人の会話が途切れることなく続いていく。
「美咲さん、久しぶりにゆっくりとお話しできて嬉しいですね。」
美咲は優雅な笑みを浮かべながら、
「ええ、私も同じです。こんな風にドライブするの、久しぶりです。」
道中、二人は自然な流れで手が触れ合った。
健太郎がステアリングを握りながら美咲の手を見つめ、
「美咲さん、もし邪魔でなければ…」
と躊躇いながら言葉を続けた。
「ええ、どうぞ。」
美咲は温かな微笑みで答え、手を差し出した。
健太郎は彼女の手を優しく握り、心地よい緊張感が車内を包み込む。
彼らの指先が触れ合うたび、微かな電流が走るような感覚が広がっていく。
「美咲さん、これからもっと一緒にいたいと思っています。」
美咲は健太郎の手を強く握り返しながら、
「私も同じくらいの気持ちです。」
車は静かな夕暮れの道を走りながら、二人の心は言葉以上に触れ合っていた。
過去の不安や緊張感は、この車内の温かさと優しさに包まれ、徐々に解けていくかのようだった。
夕陽が空に沈み、車の中には静寂が広がる。
二人はただ黙って、手を繋いでいた。それだけで、十分に幸せで穏やかな瞬間が広がっていた。


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